2010年4月2日金曜日

試作第二弾スタート その2


通常、自転車のフレームというのは金属のパイプを溶接して作ります。
なんだけど、irukaのフレームは少し、というかかなり特殊なのでパイプだけでは作れず、いくつか金属の塊を加工して作る箇所がある。
もちろん塊のままでは重いので肉抜きして軽量化を図るんだけど、まあ塊は塊です。

その塊パーツを作る方法はざっくり3つ:

1. 削り出し
フライスと呼ばれる切削工具に塊をセットして、入力したCADデータどおりに削っていきます。
MacBookのユニボディなんかまさにこれ。

2. 鋳造
溶かした金属を型枠に流しこむ作り方。大仏ですね。

3. 鍛造
型を作って金属を流し入れ、さらに圧力をかけます。「熱した金属を鍛えて作る」という意味では、型は使わないけど刀鍛冶がそうです。

量産時はどうするか未定ですが、とりあえず試作第二弾の塊パーツは全て削り出しで作ります。
鋳造と鍛造には金型が必要で、これが結構高い(型一つ作るのに数十万円から大きいと数百万)。
削り出しはデータだけあれば作れるので安い&速く、試作には最適です。

用いる素材は7003アルミニウム合金。
頭の4桁は他の金属を混ぜる種類・分量を表わしていて、これが違うと同じアルミでも性質が大きく異なります。
例えば1000番台はアルミ箔、3000番台は飲み物の缶なんかで使われるけど、強度が要求される自転車では硬めの6000番台か7000番台が使われます。

アルミは鉄に比べれば軽いけど、上に書いたような塊材を使うと全体ではどうしても重くなりがち。
塊部分にはアルミより半分近く軽いマグネシウムを使えないかとか、でもアルミパイプとマグネシウムは溶接できないから接続方法を考えなければとか、カーボンもだいぶコストが下がって来たから検討すべきだとか、そんな話が今回のミーティングでは出てきました。

新しい事業には新しい学びがあって、何と言うか、楽しいです。

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写真は上海浦東空港。


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