2010年2月17日水曜日

ピスト乗りに告ぐ


街でピスト自転車に乗る人が増えてます。
イルカオフィスのある青山近辺は特に多い。

ピストとは(Fixed、トラックレーサーとも呼ばれます)競輪などトラック競技で使う、固定ギアの自転車のこと。
普通の自転車は後輪の車軸にフリーホイールという機構が内蔵されていて、ペダルを止めても車輪は惰性で回りますが、ピストはペダルを止めないと車輪が止まらない、逆に言えば車輪が回っている間はペダルも回り続けます。
その機構ゆえ、変速はつけられません。
またブレーキもなく、ペダルを逆方向に踏み込むことで減速・停止を行います。
トラック競技ではブレーキで止まると接触事故につながりやすいため、「わざわざ止まりにくく」しているのです。

「平坦なトラックで、尋常ではない脚力の持ち主が乗る」前提で作られた自転車なので、「街中で、普通の脚力の持ち主が乗る」には当然ながら適していません。
が、シンプルでかっこいいことなどから、ニューヨークのメッセンジャーの間で火がついて、日本でも2-3年前から流行しています。

確かにかっこいいんだけど、東京ほどピストに適してない街はないんですよ。
ニューヨークは真平らだけど、東京は坂が多いから。

登り坂がきついのは乗り手が頑張ればいいけど、深刻なのはスピードが出る下り坂。
ブレーキがついてればまだいいけど(そもそも日本ではブレーキのない自転車で公道を走るのは違法。ぱっと見7-8割のピスト乗りはブレーキをつけて乗ってる)、いきがってノーブレーキピストに乗ってるのがかなりの数いるわけですよ。

とにかくノーブレーキピストというのはいったんスピード出しちゃうと止まるのが大変。てか止まれない。
だからノーブレピスト乗りには「ファッション君」と「珍走団君」の二種類がいます。

前者のファッション君は、もうハナからスピード出さない。んでウラ原の遊歩道とかを2-3台横並びでゆーっくり流してる。
ピスト本来の用途と真逆の使い方をして、ただカッコだけつけてる。陸サーファーと同じ。ダサい。ママチャリ乗れっつの。

後者の珍走団君はダサいというより、とにかく厄介。
張り切ってスピード出して、止まれないから信号無視。
時には交差点を渡り切るために、右車線を逆走して突っ込んでくる死ぬほど迷惑な奴もいる。
表参道とか明治通りで逆走ピストを怒鳴りつけたのは2-3回じゃききません。

というわけでピスト乗りに告ぐ。
全員ブレーキをつけよ。

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写真は12月に行った金沢、近江町市場にて。


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