2009年10月2日金曜日

it's a 職人ワールド


irukaを始めて、四十路手前にして初めてモノ作りの世界に入った、というか入りつつる。
当たり前だが、デジタルの世界とは相当に勝手が違う。

例えば、寸法の問題。
デジタルならピクセルで大きさを指定すれば狂いようがないが、モノ作りには必ず製造誤差の問題がついて回る。

自転車はパイプとパイプを溶接して作るのが一般的だが、溶接とはすなわち金属材の接触面を熱で溶かして一体化することなので、治具で固定しても加熱・冷却のプロセスにおいて必ず歪みが発生する。
また、板材をプレスして部品を作るような工程では、プレスを終えて金型を外したときに材そのものの弾性による変形(スプリングバック)があるし、材の外縁の不要な部分(チリ)を切ったときにも変形したりする。
BD-1の新フレームなんてのは左右対称のプレス板材を中央で溶接して作ってあるが、材が大きい上に溶接面が長いため誤差も出やすく、量産開始時は相当苦労したと聞く。

で、製造の現場ではどのように誤差を修正しているかというと、誤差を見越して型を作るなどノウハウがあるわけだが、最終的には木槌でトントン叩いて歪みを直したりしてる。

えー、そんな乱暴な、と思うでしょ。

でもですね。
日本で、とある溶接の職人さんと話したときのこと。

僕 「自転車作りたいんですよ」
職人「オレは自転車やったことないけど、誤差はどれくらいまでOKなの? 」
僕 「えーと。。(どう答えればいいのかもわからない)」
職人「いやほら、10分の1mm単位なら軽いけどさ、100分の1mm単位まで要求されるとちょっときついのよ」

木槌でトントントン、で10分の1mm単位まで余裕だそうです。。。
月並みな言い方だけど、奥が深いです。

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iruka試作ゼロ号機、来週工場からいったん引き取ってテストします。経過はまたブログにて。写真はチラ見せしかできませんがw。

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写真はチッピングカムデンの教会にて。墓地がキレイで、墓激写しちった。


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